かつて人々は道祖神に願いをかけた
道祖神は様々な信仰を含んでいる
東日本に多く分布しているとされ、関西地方では地蔵尊の信仰が主体で
道祖神は少ないとされている
東日本にあっても関東・中部に多く、長野県における道祖神の数は群を抜いている
千曲市上山田において道祖神は、悪霊や疫病を防ぐ神
道の神として旅人を守る神、境や子供を守る神
良縁や子孫繁栄を祈る神だとされている
かつて同じ村上郷と呼ばれて同じ集落共同体であった、坂城町上平では
お嫁さんを迎えたい人は、初午の日の早朝に道祖神へ詣でて祈れば良いとされた
まさに実行した人がいたという
おそらく上山田にも似たような信仰があったのではないだろうか
上山田には陰陽を感じさせる自然石の道祖神がいくつか見られ
像を刻んだものもいくつか確認できる
しかしながら圧倒的に文字を刻んだ道祖神が多い
文字を刻んだものは寛文時代以降の建立だと考えられている
長野県内には男女が仲睦まじくしている像が刻まれた道祖神がたくさんある
そういう道祖神は人気も高い
上山田にはそういった道祖神は見当たらない
しかし、だからこそ上山田の先人たちの素朴さや真面目さなどが感じ取れるのである
