GHQ指令せり
あの大戦争終了後に日本は、連合国軍の占領下であった
昭和20年12月15日、連合国軍最高司令官総司令部
いわゆるGHQは神道指令を日本政府に発した
政府はGHQの占領政策を受け、
「忠魂塔忠魂碑等の措置について」（昭和21年11月27日
内務省警保局長通達）の通達を発した
これは学校やその構内、公共建造物や公共用地にある
忠魂碑を撤去するということである
撤去された忠魂碑
上山田八坂大御堂境内にあった忠魂碑も
撤去されたようである
遺族や上山田の人々は暗たんたる心持ちだったという
我が夫、我が息子、我が友が国のため命をかけて
戦ったのである
しかしその魂を讃えることも慰めることも禁じられたのだ
気持ちが落ち込むのも無理ないことである
平和観音の建設を
上山田では平和観音を建てようという動きがあった
平和観音建設委員会を組織して趣意書を出している
昭和25年のことである
忠魂碑撤去を受け、遺族は信仰の中心を失った
そのため遺族会や有志により委員会を組織し、
忠魂碑跡地に観音像を建立しようというのである
趣意書はそのための費用を募るためのものである
講和条約成る
昭和26年サンフランシスコ講和条約が締結される
これにより日本は主権を回復したわけである
昭和27年、上山田の平和観音建設委員会は渦中にあった
平和観音の建設が至らないので、町民から疑惑を持たれていた
町民としては多額の寄付をしているのにも関わらず
観音像が建設されないために委員会に不信を抱いたのだろう
委員会は「種々の情勢により」建設ができなかったとしている
これはGHQの通達が関わっていると考えられる
戦没者の慰霊をも抑制する神道指令の通達は
観音像を建てることも許さなかったのだと推測できる
忠魂碑を再建せよ
講和条約により神道指令の通達は失効した
上山田町はこれを機に忠魂碑再建を計画する
しかし忠魂碑は公の立場で、公の建物、公の金を使用
するのは地方自治法により禁止されているので、建設費等で
計画は行き詰まりを生じた
ここにまた計画が頓挫し行き詰まりを感じる団体があった
平和観音建設委員会である
町と委員会は協議を重ねて忠魂碑再建を決定して、
忠魂碑再建委員会を組織した
建設費は平和観音建設委員会から忠魂碑再建委員会へと
移行された
そして昭和27年9月24日、忠魂碑は大御堂境内に再建された
関連ページ
- 紆余曲折あった忠魂碑再建
- 忠魂碑再建までいろいろありました 千曲市上山田の道祖神をはじめとする石造文化財を紹介していきます 古の神々の記録をご覧ください
