忠魂碑再建委員は語る
我々は戦争の時代を知らない
必勝を信じて国難に殉じた英霊に対して、心から冥福を祈る
ことしか他になす術がないのである
これは当時の上山田町民も一緒だったに違いない
忠魂碑再建についてへの批判
忠魂碑再建については様々な批判もあったようだ
①「英霊については何も言うことはないが、忠魂碑再建は
戦争に通じるものを感じてまずいことだ」
②「忠魂碑という名は何とかできないものか。供養塔とか
英霊碑とかありそうなものだ」
主にこれらの理由で忠魂碑再建は批判を浴びたようだ
建設委員の述懐
批判する人々は英霊への感謝の気持ちは人後に落ちるもの
ではないが、戦争放棄の徹底と永久平和への前進という点で
忠魂碑再建を反対したもののようだ
これら否定的な意見に対し、ある建設委員の一人は
こう答えている
①の忠魂碑無用の考えは、英霊顕彰の具体案を提出せねば
英霊に対する人々の感情は収まりつかず、人々は納得しない
としている
つまり代案を出せというわけである
②は「忠」の字を嫌うものである
それは忠の字の解釈によって解決の糸口があるとする
忠の理解は死んで君に尽くすことである
忠孝を道徳の基礎として強調したため、死ななければ
ならない忠義が頭に注入された
中国の考えに「己を蓋すこれを忠という」とある
これを理解すれば意味が広がる
忠の対象を社会に向ければ良いというのである
友よ安らかに
英霊たちは国のため、家族のために戦い散っていった
その死は決して無駄死ではない
君たちはよくやった
この建設委員は、ただそう言って霊を慰めたかったのだろう
戦争を賛辞するとか美化する目的ではない
同じ村に生まれ育った友を、命をかけて戦った友人を
誇りを持って讃えたかったに違いない
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