更地に立つ馬頭観音
二体の馬頭観音
県道77号線の「力石西」の信号から新山の集落へ向かう
すると天坂（あまさか）という急激な坂道になる
天坂と並行して細い道が走っている
そこにはブドウ畑が広がっている
その一角に更地になっている場所があり
コンクリート壁を背にして二体の馬頭観音が立っている
独りになった馬頭観音
かつての記録写真では二基並んでいるのが確認できる
しかし現在では、向かって左側の馬頭観音は土台のような
石が残るのみである
今は無い馬頭観音は記録写真でも合わせた手と
頭上の馬頭が確認できるものの、風化により劣化している
のが確認できる
聞き取りによると、「詳しくは覚えていないが、ボロボロに
なってしまって無くなったものがある」とのことなので
劣化が激しくなった馬頭観音を撤去したものだと考えられる
同じ特徴の馬頭観音
八坂の馬頭観音
この新山の馬頭観音は八坂にある馬頭観音に似ている
八坂の方が細身であるが、その優しい表情
身につけている衣装、手の合わせ方などの特徴が似ているのだ
あるいは同じ人の作かもしれない
八坂の馬頭観音が立つ場所は四十八曲峠へ向かう急坂だ
新山の馬頭観音が立つ場所も天坂の急坂の近くである
牛馬にとってもここが難所であったろうことは想像に難くない
風化の激しい石造物が多い中でも
これら馬頭観音ははっきりと形を残している
共に難所を越えてきた牛馬に対する慈しみ・・・
そういった人間の想いがこれらの場所には
未だに強く残っているのかもしれない
それゆえにきれいな形で立ち続けられるのだろう
データ
馬頭観音
所在地 新山天坂坂上脇
寸法（ｃｍ） 50×25
建立年代 不明
浮彫りの馬頭観音像
地図
関連ページ
- 新山地区の概要
- 新山地区の概要説明です
- メルティ道祖神
- 新山地区の道祖神と庚申塔です
- 新山の双体道祖神
- 道祖神の周りに輪ができます
- 岩井堂山産の道祖神と二十三夜塔
- 新山地区トレセン付近の石碑たち
- 迷わず行けよ
- 旅人にはありがたい道標です
- 諏訪大明神と白山権現
- 新山地区にある珍しい諏訪と白山が並びます
- 岩井堂山麓に境界あり
- 新山地区のこの祠はかつての境界でした
- 見性寺の守り神
- 新山地区の天神山にある祠です
- 天神様となった教育者
- 新山地区にある市川九郎兵衛の天満宮碑です
- 相沢文海の碑
- 新山地区の見性寺門前にある漢学師匠の碑です
- 篤農・青木繁雄
- 農業に一生を捧げた篤農家・青木?雄の生涯です
- 庄内神社裏山の石祠群
- 新山の庄内神社裏山には人々の祈りを受けたきた石祠たちがあります
- 岩井堂山山中の馬頭観音
- 岩井堂山の道に立つ馬頭観音碑です
- 荒神原の石造物群
- 新山地区荒神原にある石造物です
- 荒神原の石造物群2
- 荒神原の名の由来はこの荒神様の石祠からでしょうか
- 農業の夜明けを伝える豊饒薬師の碑
- 昭和の終わり頃に来たるべき時代の農業を踏まえてほ場整備がされました
